研究室の発表を一週間後に控えています。
今回のテーマは能『田村』。
作品の主題を中心に考える予定。


それでまあ、勉強しなきゃいけないんですが
こういう状態のときほど
ついつい他のことに熱中してしまうもので。
溜まってた本を読んだり、放っといたブログを更新してみたりで
気がつくとひとから借りた『MOTHER2』まで佳境を迎えてます。
あ、ゲームのことです。
GBごと借りたんだけど
ゲームは、たまにするとはまってしまう。


で、そのゲームで
ストーリー終盤近く、ラスボスの脅威が迫り
否応無しにゲーム世界の治安も最悪になったときに
主人公が実家に帰ったら、
いつもなら主人公に「いってらっしゃい」なり
「がんばって」なり言う母親の台詞が変わってて。


すこしは おちついた?
・・・じゃ
・・・・・・。

MOTHER2


「いってらっしゃい」とも「いくな」とも言えない沈黙が
表現されているようで秀逸でした。


それと
最近読んだ本の紹介。
遠藤周作の『イエスの生涯』と、
その続編『キリストの誕生』。


自分はキリスト教者ではないんですが面白く読めた。
いやむしろ、キリスト教者じゃないから面白く読めたのかな?
キリスト教者の読者からは賛否両論だったみたいなので。


エスおよび使徒たちの‘弱さ’言い換えれば‘無力無能力’を前面に押し出すという
ある意味、いかにも遠藤周作といった手法で描かれる新約聖書の世界。
その‘弱さ’は、イエスの場合は「ゴルゴダの丘において奇跡を起こせなかった」という点に
使徒たちの場合は「保身のためイエスを見棄て裏切った」という点に表象されます。


そしてそのふたつの‘弱さ’のイメージのうち、
前者のイエスのイメージは遠藤周作の代表作『沈黙』に見られる《同伴者イエス》の考えとつながっていきます。
後者の使徒たちのイメージは、(遠藤周作の小説にしばしば登場する)現代に生きる普通の人間の姿と重なることを、彼自身、記しています。


と、こう考えてくると遠藤周作の『深い河』なんかも
今までとは別の読み方ができるのかもしれないと思います。
彼の作品なんだから、やはりキリスト教の観念が関わってくるのだろうし。


発表のことが頭から離れないから
ごちゃごちゃ細かいことを言う文になりました。
あーあ


最後に今読んでる『田村』の詞章から一節。


春宵一刻値千金(しゅんしょういっこくあたいせんきん)、
花に清香(せいきょう)、月に影
げに千金にも、かへじとは、今此時(いまこのとき)かや


(花の清らかな香り、月の光、
いや全く千金にも替えがたいというのは、
今のこの春の一時だ)
『田村』

吉村萬壱

kazuraki2006-04-04

最近読んだ本でのベストは、舞城王太郎の『九十九十九』。
内容は異色だけど構成、人物造詣、どんでん返し、総てに文句のつけようがない。


が、今日読んだ吉村萬壱の『人間離れ』(『クチュクチュバーン』収録)という小説にそれとはまた違う意味で衝撃を受けた。
異色といえばさらに異色な作品。


近未来、地上を埋め尽くす新生物「緑」「藍色」の登場により、
なす術も無く捕食されるしかない人間たち。
混乱の中、人間の大多数は
“人間であることをやめ「人間離れ」をすれば捕食されないかもしれない”
という根も葉もない噂に固執するようになる。
「服を着なければ狙われない」
「犬になりきれば狙われない」
などの噂を本気で信じ、必死で人間をやめようとする人々。


希望の無い状況下でも何とかして生き延び続けようとしてしまう人間の姿と、作品全体に漂う閉塞感は圧巻。
読み終わったらどっと疲れた・・・
体力を使う一冊でした。

『ナチュラル・ボーン・キラーズ』

kazuraki2006-02-24

中高生の頃から何度か観返してる映画。
監督オリバー・ストーン
原作クエンティン・タランティーノ
主演ウディ・ハレルソン(ミッキー・ノックス)、ジュリエット・ルイス(マロリー・ノックス)。
トミー・リー・ジョーンズも脇役で出てる。
TSUTAYAで借りてきて、今日久しぶりにまた観ました。


概要。
ミッキーとマロリーというカップルが、54人の人間を大量殺戮したかどで刑務所に入る。
しかしマスメディアは、殺人犯の彼らを、若者の英雄の位置に祭り上げてしまった。
マスメディアは視聴率を稼ぐため、塀の中のミッキーに生中継のテレビインタビューを行う。
しかし、そのテレビインタビューの最中、他の囚人たちが暴動を起こしてしまい、ふたりはそれを利用して脱獄を図った。
刑務所員はあと少しのところまでふたりを追い詰めるが、脱獄の模様が全国にテレビ中継されてしまい、ふたりが世論を味方につけていたため、撃つことができない。
ミッキーとマロリーはまんまと脱獄に成功する。
逃げ切ったふたりは、カメラを背負い最後まで彼らについてきたインタビュアーを殺し、どこかに去ってゆく。
そしてふたりが幸せに暮らす姿が描かれて映画は終わる。


初めて観たとき、殺人鬼が幸せになってしまうというラストが衝撃で。
こういう映画もありなんだなぁと。


けど今回観返してみて、何か監督の意図が自分の趣味に合わないことに気づいた。


DVDに未公開シーン集がついてて観てみたら、あるカットされたシーンに目が留まって。
法廷で、警察に捕まったミッキーとマロリーが裁判を受けるシーン。
そのときミッキーとマロリーに弟と友人を殺された少女が証人として証言台に立ち、ミッキーの非人間性を主張する。
ミッキーは余裕のある態度で反対尋問を行うが、反対尋問の終了と同時に、裁判官たちの隙をついて、手に持ったペンを突き立て、少女を殺してしまう、という場面。


この原作通りのシーンを、映画ではカットしたのは、監督によると「ミッキーの内面の変化・成長が台無しになってしまうから」とかなんとか。
捕まるまでの前半では冷酷な殺人鬼、捕まった後の後半では成長した人間、
そんな感じに描きたかったようですが


もし内面が変わってたんだったら脱獄しないし、脱獄した後に、彼らにずっとついてきたインタビュアーを殺したりしません。
多分。


タランティーノの原作の意図は成長なんかじゃなかったと思うなぁ。
何が何でもそんな高尚なものに結び付けなくていいじゃないか。
今度、原作探して読んでみよう。

春日狂想(中也のやつ)

むこに借りた舞城王太郎の『九十九十九』を読んでいます。
面白い。けどちょっと思い出したので、読むのやめて
あまり関係ないことを、少しだけ書きます。


《以下、重いテーマについて扱った作品についての記述なので、気分を害された場合は申し訳ありません》


片山恭一世界の中心で、愛をさけぶ』と
舞城王太郎好き好き大好き超愛してる。』を読んでみました。
共通するテーマ「恋人の喪失」に関して、タイトルに挙げた詩を思い出しました。
(「愛するものが死んだ時には、/自殺しなけあなりません。/愛するものが死んだ時には、/それより他に、方法がない。」で始まる詩)


まず『世界〜』は、風説を聞く限り
感動ものということだったけれども、
必ずしもそういう訳でもないかと。
小説の流れの中に、アップダウンが作られていなかったので。


もし、ストーリーによって感動させよう、心を動かそうと思うなら、
そこには、心を揺り動かすためのギャップが必要だと思います
(たとえば“平穏”→“絶望”の間には大きな段差があって、
そのドラスティックな段差のせいで、心が揺り動かされて感動が生じる、みたいな)
他動詞moveなんかも動かすって意味だし。


けど、『世界〜』の構成はそうなってはいなくて。
まず冒頭が「恋人を喪失してしまった主人公の悲しみ」の描写から始まって。
あと、たとえ、楽しかった思い出を振り返ったりしても
章が改まれば、しつこいほどに時間軸は現在、または近い過去に戻ってくるから
読者はその度に「恋人の喪失」を想起させられる。
(「今は悲しい。あの頃は楽しかったのに。けど今は悲しい。あの頃は楽しかったのに。けど今は悲しい」みたいな)
そこにあるのは感動じゃなくて、ひたすらに続く沈鬱さであるように感じました。


エピローグ以外は、主人公の感情量の凄まじさが印象的。
語り口がいかにも高校生然としていて、
そのせいで主観的に語られる感情がリアルになってました。


ただその分、恋人の死を殆ど乗り越えたエピローグは宙に浮いて感じたり。
あえてそれが何年後か書いていない分、主人公について何も言うことができなくて。
(何年後か書いてあったら「早すぎる」とか「よく頑張った」とか勝手なことも言えるけど)
桜吹雪いきなり出てくるし。


映画とかではまた違うんでしょうね。


『好き〜』については、構成が複雑で、難解でした。
時間軸も空間軸も自在に変わるし。
ただ並行する総てのエピソードに「恋人の喪失」という主題が貫通してました。


(関係ないけど「無駄と知りながらも言うべき言葉は一つの祈りだ」って言葉は凄い格好良かった)



まとめっぽいこと。


共通する主題の「恋人の喪失」について、どんな段階を踏むのか時間軸に従って追うと
1恋人が喪失されていない。
2恋人が喪失されつつある。−a物理的に。−b心理的に。
3恋人が喪失されている。
そうなるなら、『世界〜』が描いたのは1、2a、3
『好き〜』が描いたのは2a、2b。


だから、比べられないと言ったら比べられないんですが。
時間軸重なってないし。


二つの小説の、それぞれ最後のページでは、
前者は恋人を忘れ(あるいは解消し)、
後者は恋人を忘れられていない。
けれど、時間軸をずらしたなら後者も前者と同じになり得る。


とはいっても小説なので、ページに書かれた分が総て。
後者は、いつかは恋人を忘れ得るとしながらも、
それに「間違っているほど」抵抗する。


アンチテーゼというものが異なる主張を導き出すなら、
『好き〜』の導き出した主張のほうが、すわりが良いし読後感も良い気がします。
最後に一部引用。


「人間の生は記憶で縛られるような脆弱なものではないのだ」


「そうだ。いつ僕は柿緒を裏切ってもいいのだ。
でもそうしない。まだ。
僕は柿緒を愛し過ぎるほど愛してみせる。
間違っているほど愛してみせる。
自分の人生を台無しにしてもいいとバカみたいに思うようにしている。
それでいい」
舞城王太郎好き好き大好き超愛してる。』より

kazuraki2006-02-12

  • テスト

テストもレポートもあとひとつで終わりです。
やっと一息つけます。


テスト期間でしたが、今回は、あんまり大変じゃなかったから不安になります。
こんなゆっくりで卒業できるんかなあ、と。(単位の計算すれば解ける疑問なんですけど)


でも焦ってないときは焦ってないことに焦る、って何かおかしい。

誰か読んでる人いないか探したけど周りにはいなかった。
世界観が特異なんですが、何故か読みやすいのが特徴。
陣営毎の色分けが巧いからかも。
誰か読んでる人いませんか。

  • Maijo

友人から舞城王太郎を借りました。
何か「世界の中心で、愛をさけぶ」のアンチテーゼらしいので、
この機会に買ってみました、「世界の中心で、愛をさけぶ」。
古本屋で百円だったし。


流行去った後にわざわざ読もうとする自分はつくづく天邪鬼だと思いますが、
まだ読む気になれません。
何か苦手なんですよ。感動ものとか。
どうして恋愛がこうも大きなジャンルなんだろうか。
ジョン・レノンと火星人が野球で戦ったり、
(『ジョン・レノン対火星人』の内容とは関係ないです)
おばさんグループと若者グループが核戦争起こす方が面白いじゃないか。


けど読まなきゃなぁ。
どうして流行したのかを考えずに積んどくのは勿体ない気がしたりして。

経験バトン

質問群、長いなぁ
と思いつつ何となくやってみます。

■アルバイト>>○
やったことあるのは公文式の採点係とか。
今は家庭教師。


■海外旅行>>△
オーストラリア行ったけど高校の修学旅行だったので
あんまり海外旅行って感じじゃないです。


■ギター>>×
ギターは買うだけ買って練習しなかった;


■ピアノ>>×
チョップスティックス(両の人差し指だけで弾けるやつ)
しか弾けません。


■バイオリン>>×
弾けません。こうしてみると楽器全般に縁がない;


■メガネ>>×
遠く見る用に買ったけど何処に行ったやら。
眼鏡かけるのに慣れていないから、
鼻に掛けるプラスチックのとこ(パッド・クリングスというらしい)が
何かうざったかった。


■コンタクト>>×
高校の頃、一月だけ使ってみましたが、
どうしても怖い。特に外すとき。
眼球に触るなんて無理。


■漫画喫茶>>○
時々しか行かないけど好き。
この前行ったときはストーン・オーシャンを通読しました。


■ネットカフェ>>×
ネットつないでからは、とんと行ってない。


■油絵>>○
高校の頃、部で描いたりしてた。
深海に潜ってゆく背美鯨の絵が描いてて楽しかったなぁ。


エスカレーターを逆走>>○
未だに寝ぼけてると素でやろうとします。


■自動車の運転>>×
免許持ってません。


■バイクの運転>>×
免許持ってません。
自分が運転したら事故りそうやし。


■金髪>>◎
不評だったけど何度か。
今は赤茶くらい。


■ピアス>>×
開けてないです。開けても面白かったかもなあ。


■ラブレターを貰う>>×
貰ってみたかった。
ガリガリ良いなぁ。


■手術>>△
小さい頃に骨髄注射とかされました
・・・手術じゃない?


■犬猫を飼う>>×
飼いたい!凄い飼いたい。絶対将来的には飼います。
犬だったらマメシバとか、猫だったらロシアンブルーとか。
何飼ってもはまり込みそうだけど;


■一目惚れ>>○
多分あります。けど一回とか二回?くらい。


幽体離脱>>×
ないです。
怪談大好きだけど、もし実際に身に降りかかったら
恐怖でおそらく死にます。


■ヨガ>>×
あんまり興味ないですねー。


■OSの再インストール>>×
OSってウィンドウズとかそういうの?
この程度のレベル;


■妊婦さんに席を譲る>>×
ないですね。てか、妊婦さんを電車の中で見た覚えはあんまりないなぁ。


ジャケ買い>>△
数回しかないと思います。
中学の頃くらいにジャケ買いしたフージーズは今でも好き。


■学級委員>>△
一度くらいやったかな?


■異性に告白する>>◎
玉砕ばっかりですが。


■同性に告白される>>×
ないです。というか異性にも告白されたことがない;


■喫煙>>◎
大好きです。


■禁煙>>◎
頑張りました。煙草大好きなのに・・・。
買わないようにしてます。
本読むとき、口寂しいのが一番辛い。


■酔って記憶をなくす>>×
酒席の記憶って、あるほうが恥ずかしくないですか?
忘れたいことばかりだ・・・


■出待ち>>×
ないです。
そこまで好きなアーティストも今いません;


公文式>>◎
通ってたしバイトもしました。
けど、あんまりためにはならなかったかな;


■進研ゼミ>>◎
これも大分長いこと取ってた気がする。
こっちも勉強面ではそんな役には立たなかったような。


■結婚式に出席>>×
ないです。行ってみたいなぁ。
挨拶する人たちってどんなこと言うんだろ。
ってかそれより早く結婚したいです。


■葬式>>×
この年になってもまだないです。


■幽霊を見る>>×
ないです。めっちゃ怖がりなんで絶対見たくない。
実際にいるいないはともかく、
疑心暗鬼になれば柳も幽霊に見えると言うし。


■ピンポンダッシュ>>×
ないですねー。確か小学くらいのとき流行ってたけど。


ドラクエ>>△
リアルタイムでⅣやってましたけど、あほだったんでクリアできなかった。
もう一回リベンジしようかなあ。


ガンダム>>◎
リアルじゃなくてSDのプラモデルにどっぷりでした。
周りがミニ四駆に流れてもガンプラ作ってた気がする・・・


■バトン回す人5人
えと、じゃあ
ナラ、むー、のむぞう、キャン、すみ
見てて暇ならやってみて下さい。


ってかテスト期間に何やってるんだろう、
と不意に冷静になったりもする;